はじめ
自分は2006年生まれ。ちょうど『コードギアス』1期が放送された年に生まれた世代だ。リアルタイムでは触れてこなかったけれど、数年前に『復活のルルーシュ』のCMが頻繁に流れてきて気になり、調べてみたら“かなり評価の高い名作”だと知って視聴を決めた。正直、見る前の先入観はほとんどない。ただ名作という噂だけを頼りに再生ボタンを押した。評判を軽く調べたところでは「ルルーシュが天才」「ラストが衝撃」みたいな言葉をよく見かけた。自分と同い年に始まったアニメを、令和の現代で初めて見たらどう感じるのか――その視点で振り返ってみたい。
見始めてから“ハマる”まで
視聴序盤は、正直そこまでピンと来なかった。学園パートとロボット戦が並行するテンポに戸惑っていたと思う。けれど黒の騎士団を結成したあたりから一気に面白さが加速。話が動き出すたびに緊張感が増し、気づけば終盤には「もう1話だけ…」が止まらなくなっていた。
そして最終回。スザクがゼロの正体を知り、互いに銃を向け合ったまま幕。続きが気になりすぎて、その場で固まったのを覚えている。
印象に残っているキャラクター
ルルーシュ
本作の主人公。妹を幸せにするという理想のためなら“悪役”も選ぶ主人公。完璧に見えて詰めが甘い瞬間があるからこそ人間味がある。何より行動原理の中心に妹のナナリーがいて、最終決戦でもさらわれたナナリーのために戦線を離脱してでも妹を優先する一貫性が強く印象に残った。また、気に入ったりしたものには情に甘いところもある。主人公なのにKMF戦や身体能力は弱く、主に頭脳面で戦うタイプ。
枢木スザク
もう一人の主人公。主人公ルルーシュの親友であり、ライバルのような存在。ルルーシュとは対照的に戦闘がめちゃくちゃ強い。毎回のようにルルーシュの作戦などをランスロットに乗って阻止してくる。ルルーシュが何よりも結果を重視するのに対して、スザクは過程を重んじるタイプである点が異なっている。
C.C.
正体不明でルルーシュにギアスを与えた謎が多い不老不死の少女。1期では「力を与えた人物」という認識に留まるからこそ、余白が想像を広げてくれる。
紅月カレン
ブリタニア人と日本人の使用人とのハーフ。ブリタニア人でありながら日本解放のレジスタンスに身を置いている。黒の騎士団のメンバーのエースパイロットとしてルルーシュ(ゼロ)のもとで戦う。
ナナリー・ランペルージ
目の見えない車いすのルルーシュの妹。ルルーシュが反逆する理由であり、ナナリーを幸せにするために行動している。
ユーフェミア・リ・ブリタニア
ブリタニアの皇族でルルーシュとナナリーの異母兄妹にあたる。心優しく善意そのもののような人物。だからこそ『血染めのユフィ』の破壊力が異常。意図しない悲劇が世界も視聴者の心も一瞬で塗り替えた。あの回で“コードギアスらしさ”を理解した気がする。
シャーリー・フェネット
ルルーシュたちが通う学園に通う女子高生。学園パートの“日常”を体現。日常に温度があるから、ルルーシュが黒の騎士団のゼロとして活動しているときのシリアスさが際立つ。
『血染めのユフィ』というコードギアスの象徴
1期で最も焼きついたエピソード、やはり『血染めのユフィ』。暴走したギアスにより完全に想定外の事態が連鎖し、空気が一瞬で変わる。この回によりルルーシュとスザクがそれぞれ決意を固めるのである。理屈や計算では制御できない“人の感情”が物語を別のレールへ押し出す感覚。予測不能なのに説得力がある、シリーズ屈指の名回だと思う。
コードギアスという作品の“面白さ”はどこにあるか
この作品には、ギアスという異能力、コードという不老不死、ナイトメアフレームのロボ戦、学園要素まで多くの要素が詰まっている。けれど個人的には、ロボットアニメとしてより人間ドラマとしての面白さが勝る。それぞれの思惑が交差する話がコードギアスという作品の肝だと思う。
評価(懐アニログ基準)
- ストーリー:★★★★⯪(粗はあるものの面白い)
- キャラクター:★★★★★(かなり魅力的なキャラがたくさんいる)
- 演出・テンポ:★★★★☆(序盤の展開は遅いが概ね良好)
- 音楽:★★★★☆(良曲がそろってる)
- 作画:★★★⯪☆(20年前にしてはかなり綺麗)
- 総合:★★★★⯪(名作)
まとめ
時間が経っても、本作の記憶は鮮明だ。衝撃的な最終回、キャラクターの濃さ、そして予想の外側から殴ってくる展開。自分と同じ年に生まれた作品が20年近くの時が経った現在も語り継がれる理由が、少しわかった気がする。次回は『コードギアス反逆のルルーシュR2』を振り返っていきたいと思う。
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